ホシナの投稿14

ホシナの投稿 14

プロダクトクラフトって何だ

30年くらい前に、イギリスの家具やアンティーク家具を取り扱う人に、
「日本の家具は良くなってきたけど、
ヨーロッパではまだまだと思われていますよ。
つくりが良すぎるんです」という話を聞いた。

良くて悪いのか? と理解できなかった。
その話をしてくれた人のショップに置かれているものの中には、
ちょっと力をいれるとゆらゆら揺れるものがあったりした。
ユルさがいいのだろうか、などと安直に考えたりもした。

最近は、その人の言ったことが、少し分かったような気がする。
ユルいのがいいわけではないし、きっちりが悪いわけでもない。
感情、感性、情緒に働きかけるものがあるかどうか、ではないだろうか。

デキスギくんが悪いはずはない。
見た目が良く、精度良くつくられていて、価格も品質もそれなり。
でも、「木の家具と暮らしたい」とこだわりを持ったときに選ぶのは、
こういう家具とは限らない。

BC工房のあるじ鈴木さんは、
家具づくりを始めるときから「プロダクトクラフトだ」と言っていた。
機械工業と手工芸の融合。
言葉の意味はわかっていたつもりだが、実はわかっていなかった。
でも、いまは、「BC工房の家具は味がある」と、伝えられると思う。

たとえば、曲線のアームに残る刃物のあと。
ガッチリ丈夫なチークのフレーム。
鋸目を生かした天板の仕上げ。
つるつるすべすべでない木のさわり心地は、BC工房の味のひとつ。

マイチェアと呼べる椅子が欲しいと思ったら、
ふじののギャラリーショップ、阿佐谷のミニギャラリーで、
プロダクトクラフトの味を、味わってみてください。

hocna

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