ホシナの投稿 7
あるじの恋愛遍歴
あるじの鈴木さんと出会ったのは32年前。
そのとき鈴木さんが恋していたのは、ミラノデザインや北欧モダンデザインだった、と思う。
カッコいいモダンデザインの家具に囲まれていた。
後に知ったが、同時に、クラシックチェアにも想いを寄せていたようだ。
当時の鈴木さんは、家具プロデューサーであり、広告デザイン事務所のボスだった。
ミュージアムと大手広告代理店と組んで、
プリミティブ椅子展の企画プロデュースをしたときには、
原始の椅子、権威の象徴の椅子、風土から生まれた生活の椅子にどっぷり浸かっていた。
デザイナー団体に所属していたときは、
盟友のデザイナーと共に、日本の木の椅子や日本の近代デザインを探求していた。
素材や構造にも、次々と熱を上げる。
無垢板天板、天然オイル塗料、うるし、チーク、ラタン、モールドウレタン、多層クッション、ポケットコイルスプリング、羊毛フェルト、ステンドグラス、鉄工、etc……
陶芸、油絵、木彫など、椅子でも家具でもないものにも恋をする。
今もそうだから、恋多き鈴木さんの想いがあふれて、工房ショップはゴチャゴチャマゼマゼなのだろうか。
こういう言い方はこっぱずかしいが、青春だと思う。
鈴木さんは、家具、デザインに恋しつづけて、ホンモノを探しつづけている。
ホンモノを求めて、恋多き青春はつづいていく。
「普通の気持ち良さ」って何だ!? の想いは32年前も今も、一途。
hocna
「今、自分が欲しい椅子を作る」 に拍車がかかった頃の鈴木さん