あるじの戯言 20

あるじの戯言 20

〈椅子の出前〉

25年前、あるひとりのお婆さんからのデンワでした。
「もう、そちらまで行けないので、チラシに載っている椅子を、持ってきてもらえませんか?」

しっかり、おちついた会話でした。
要望の椅子、2〜3脚を持って訪問しました。
とても喜んでくださり、一脚の椅子を買っていただきました。

それ以来、25年の間に、お客さんから「椅子の出前」の要望が数多くありました。

妻への誕生日プレゼントにしたいので、コンパクトなサイズの座り心地のいい椅子を、2〜3脚、こっそり持ってきてほしい。
サプライズなプレゼント作戦でした。こんな楽しい計画には、おおいに賛同します。

椅子は、使うその場所において、座っていただくのがいちばんです。
お店と、自分の家で見え方が違います。
じっくり選んだのに、ちょっと違う?
そんな経験はありませんか。

「椅子の出前の良さは、
 ① つかう人
 ② つかう場所
 ③ つかう椅子
の3つをいっしょにチェックすることが出来ます。
選ぶ失敗が少なくなります。

が、一方、大変なのは、スタッフが椅子選びの案内人としてのしっかりした知識とセンスがなくてはなりません。
椅子をデザインするスタッフ、椅子を作ることのできるスタッフが、
お客さんのアドバイザーとして寄りそうことができなくてはダメです。

「椅子の出前」は、ホンネの真剣勝負です。
椅子の出前から、ちょっとの修正をして、ひとりのお客さんにピッタリの椅子に改良できたことも多々あります。

椅子の作り手として、お客さんの声に耳をかたむけ、受けとめ、受け入れることとを教えられる「椅子の出前」です。

椅子の出前は;
メール  fujino@bc-kobo.co.jp メールを送る
ケータイ 090-5428-6074

KEIZO


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