あるじの戯言 17

あるじの戯言 17

〈無垢板テーブルの味〉

無垢板テーブルの良さは、「味」だと思っている。

昔の大きな家には、必ず無垢板の座卓があった。
しかし、高級な座卓は、いつの間にやら、邪魔者扱いされるようになってしまった。

なぜ?

そのいちばんは、仕上げの塗装にあると思う。
ポリウレタンと称する、強力でカチカチの膜をつくるピカピカの光沢のある塗装だ。
汚れない、ワレない、反らないから、画期的と言われた。
しかし、この塗装だと、経年変化の味が出ない。
テカテカ、ピカピカの無垢板が、ホントの無垢板に見えないのだ。

無垢板テーブルは、使えば使う程に「木の味」が出てほしい。
人の手が、生活があって、無垢板テーブルは味が生まれる。
ヒビや、ヨゴレが、いつの間にか味に成長してくれる。

*   *   *   *   *

BC工房の無垢板テーブルの仕上げは、ハイブリッド仕上げと称している。
木の表面に膜をつくる塗装ではなく、木に浸透し、木の中で木を保護する。
そして、最後にあまに油、オレンジオイルなどの自然オイルで仕上げます。

無垢板テーブルの仕上げチャレンジ30年で、様々な実験、試作をしてきましたが、
これからも、もっと木にやさしい、私たちの生活に合った、塗装仕上げを試みていきます。

無垢板テーブルの味わいは、
人を惹きつけるエネルギーがある。
人間的な魅力と同じです。

じぶんの主張ばかり、エラそうに、もっともらしく語る人に魅力を感じないのと反対で、
無垢板テーブルは、黙っていても存在感がある。度量がある。
「ゆったり、おちついて、のんびりやりなさい。」と言ってくれる、人生の師のようだ。

人が自然に集まってくる無垢板テーブルのチカラは、不思議です。
家の中心、家のやさしさが、生まれます。

KEIZO


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