BC工房 春の「アートクチュール展」、
ボチボチ見に来ていただきありがとうございます。
今、私のココロをざわつかせるテーブルは、
この「ポロックテーブル」です。
ウォルナットの穴あきの一枚板。
木の市では、穴あき材は、デメリットとして、安く買い叩かれる。
「違う。」
穴は、欠点じゃない。
穴は、自然の生んだアートだ。
オレもアンタも、穴だらけ。
同じ穴なら、開き直らな損ソン。
穴をアートに。穴をオリジナリティに。
進化!深化!化けさせろ!
ANAは、アートクチュールの翼だ!
舐めるように磨き込んだ穴の内部に
何色も、何回も、「カシュ―」を塗ってはふき取り、磨き、
また塗り込む。
脚も、穴あり。
塗り重ねる。
テーブル工房のヘンタイ仕上げ人オマタ、
渾身の一卓。
口惜しいが、20年やってきたけど、
こんな大胆な色の重ね方、オレはできんかった。
イイか、ワルいか。わからないけど、やり切る。
その強さが、今の、コレカラのBC工房の味になる。
「カシュ―」は、
戦後間もない昭和23年、日本人により発見開発された塗料。
カシュ―ナッツの殻から搾った油から作られる、
漆と成分、性能が似た塗料。
非常に美しく強い塗膜の漆だが、
希少で、高価で、乾燥が難しく、
かぶれるというデメリットもある。
戦後日中関係が良くない時期、
中国の漆が輸入できず困っていた塗装界に、
イノベーションとして現れたのが
「カシュ―」だったそうです。
今は、ウレタン、UV塗料、ガラス塗料、水性塗料、などなど、
高機能の化学塗料が、たくさんあるなか、
時代遅れの塗料のように思っている人も多いと思います。
が、しかし。
カシュ―の多彩な色、塗膜の強さ、艶、を活かして、
新しい仕上げを模索しています。
温故知新、邪道上等、イノベーション!
ジャクソンポロックのように!とはなかなかムズカシイけど、
ポロックが、偶然と作為を融合させた
「ドリッピング」という技法を発明したように、
ANAに向かって、無心に掘って、カシュ―塗っていきますぜ!